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床暖房って損なの?得なの?

こんにちは、営業の桑名です。

秋も進み、最近は朝晩などずいぶん寒く感じるようになってきました。
私のいるジュートピア富山展示場にはガス温水式床暖房が設置されていますが、「さていつから点けようか」とタイミングを見計らっているところです。


【床暖房は好感度抜群】

冬場 お客様が床暖房された展示場にご来場されると、暖かさや心地よさをお褒めいただくことがよくあります。
床暖房の良さは何といっても自然な暖かさ
【風もなく音もしないのに只々ほわッと暖かい】
【足元から確実に暖かく、顔が火照ったり 頭がボーっとすることはない】
といったところだと思いますが、その理由は『床暖房の熱の伝え方』と『人の体感温度の感じ方』にあります。
【床暖房の暖かさの特長】

熱の伝わり方には「輻射(放射)、伝導、対流」の3通りあります。

出典:リンナイ㈱ホームページ 床暖房の特長
https://rinnai.jp/products/living/floor_heater/flh_sp_point
床暖房が『風もなく音もしない』のは『輻射(放射)』暖房だからです。温風が吹かなくても、熱源に触れなくても、ポカポカ暖かく感じる日向ぼっこと同じで、遠赤外線が物体に(人体や家具、壁や天井などにも)直接(空気を介さずとも)作用し暖かさを感じているのです。


『足元から確実に暖かく』というのは『伝導』による効果です。伝導はとても強力です。足裏が直接熱源に触れているので当然温かいですね。


『顔が火照ったり 頭がボーっとしない』のは床暖房が『輻射・伝導』を主とした頭寒足熱に叶った暖房方式だからです。エアコンのように直接空気を暖め吹出す方式(対流式)では比重の軽い暖かい空気が上に溜まり、室内で上下温度差が出やすいのです。
出典:リンナイ㈱ホームページ 床暖房の特長
https://rinnai.jp/products/living/floor_heater/flh_sp_point

出典:日本海ガスホームページ
https://www.ngas.co.jp/reform/home/
【体感温度と暖かさの質】

人の体感温度は『空気の温度(室温)と部屋の表面温度の平均値』で表されます。
出典:HEAT20 断熱がもたらす住宅の魅力
http://www.heat20.jp/data/2010/heat20_2010_12_07p.pdf
では、『部屋中が均一に温まっていてポカポカする』のと『床や壁が冷たい中 熱風を吹かせて頭だけボーっとしてる』のが、同じように快適かといえばそうではありませんね。

床暖房は文字通り床の表面温度を30℃前後に暖めることで、床面自体 ホカホカです。その床面からの伝導と輻射により、直接的に人体が温まり、部屋の天井・壁等の表面温度も暖まるので、室温(空気の温度)自体を上げなくても、より自然な暖かさを感じられるのです。また空気を過剰に暖めなければ湿度も保たれるので、過乾燥による肌荒れや喉や目のトラブルにも効果的です。

風も音もなく自然なポカポカ加減で過乾燥も抑えられる床暖房は、理想的な暖房ですね。
出典:日本海ガスホームページ 
https://www.ngas.co.jp/reform/home/
【暖房方式による光熱費シミュレーション(年間)】

そんな素敵な床暖房ですが、きっと誰もが「光熱費がジャブジャブ掛かって贅沢なんじゃない?」と考えますよね。そこで、オール電化契約と電気+ガス契約それぞれの場合、エアコン暖房と床暖房でランニングコストがどうなるかをシミュレーションしてみました。

図:暖房方式による光熱費シミュレーション(年間)
 ①オール電化[エアコン暖房のみ] 

予想どおりというか、文句なしで最もエコノミーです。間違いなく設備や工事などの導入費用(イニシャルコスト)も最少でしょう。

実際、近年の断熱気密性能が高い住宅では最も多く選ばれているパターンです。ただし物理的に足元の床表面温度が、他部位よりも低くなりがちですので、快適性の実感とすればやや劣ります。
ランニングコストと快適性の質を天秤に掛けて選ぶ必要があります。
 ②オール電化[ヒートポンプ床暖房のみ] 

従来の電熱線式やフィルム式の電気床暖房に比べるとずっと高効率なヒートポンプ式床暖房ですが、やはりエアコンに比べると消費電力が嵩みます。消費電力量に対して再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)も掛かるため、光熱費総額が最も高くなってしまいました。

しかしながらオール電化で床暖房を希望するならヒートポンプ式一択でしょう。
 ③電気+ガス[エアコン暖房のみ] 

電気とガスの併用。給湯ボイラーのみガスで、調理や冷暖房は電気というパターンは、実際には光熱費的なメリットは出てきません。電気・ガスともに割引メニューがなく一般的な基本料金となるため、電気の再エネ賦課金も大きくは減りません。
なので光熱費的には積極的に選ぶ理由が見当たりません。
 ④電気+ガス[ガス温水式床暖のみ] 

意外にも①オール電化[エアコン暖房のみ]に次いでお得になりました。

③と同様に電気とガスの併用ですが、ガス契約は日本海ガス「LP(ペンギン)あったかライフ」というガス給湯とガス温水式暖房の組合わせで選べる料金プランです。
基本料金は2,750円/月と一般料金の1,595円/月より高くなりますが、従量料金がかなりお得に設定されているため一般料金比で約45%も安くなります。

暖房もガスなので、消費電力量も再エネ賦課金も抑えられます。まさに床暖房向きのパターンですね。
【まとめ】

「床暖房って損なの?得なの?」の問いから始まりましたが、好ましい温熱環境をつくるには床暖房の特長はとても理に適っています。
ファンヒーターやエアコンなどの対流式暖房では得にくい効用は、まさしく「得」だといえるでしょう。

一方で絶対的な光熱費やイニシャル費用となると、オール電化+エアコン暖房が「得」となります。ですが、シミュレーション結果のように、ガスのお得な料金メニューを選べる場合は「損」とまでは言い過ぎですよね。

ほどほどの光熱費で、ガマンいらずの質の良い快適性が実現できるのは「得」と感じられる方も多いのではないでしょうか。

暖房や熱源選びでお悩みの際は、どうぞ気兼ねなくご相談ください。


参考資料:暖房方式による光熱費比較シミュレーション(月毎)